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日置桜 本懐の盃 きもと純米 玉栄 火入れ R2BY 720ml【数量限定】

原材料名:米(国産)、米麹(国産米)
原料米:玉栄100%(農薬不使用自然米/兵庫県産)
酒米生産者:依田圭司
精米歩合:70%
アルコール分:13.5度
酒度:+10.9
酵母:無添加
酒母:きもと
火入れ:2回
酒造年度:R2BY
おすすめの温度帯:冷や(常温)、お燗(60~65度前後)

“元山根酒造場蔵人、依田圭司氏が作るお米で醸した酒”


滋味深く旨い。
特別キラキラした酒ではない。
でもそれが良い。
口に含んだときの浸透力、馴染みやすさが心地良い。
このお酒にはドラマがあります。
ただ飲んだだけではわからないそのエピソードが、お酒に宿っているような、そんな気になります。
本気で取り組んできた方々の想いが酒に溶け込んでいるのかもしれません。
ゆったりとした時間とともに飲みたい酒です。

(以下蔵の紹介文)
生酛純米酒「本懐の盃」について
「そちらで酒造りに携わりたい」。
15年前に届いた一通の手紙の消印は東京都八王子だった。
練馬の飲食店で落ち合って面接した20代後半の青年は、料理人を志して京都に渡ったものの道半ばで挫折、気晴らしで入った居酒屋で日本酒の魅力を知ったという。
それからは片っ端から日本酒を飲み、その個性の多さに魅了されつつも自分好みの酒とそうではない酒の立ち位置の違いに気付く。
彼が好む酒に共通していたもの、それは米感の強い酒だった。
練馬区の酒販店に通い込み、紹介された1本の酒との出会いが彼を飲む側から造る側へと気持ちを変える。
それが「日置桜・鍛造シリーズ」だった。
この鍛造シリーズは、内田百種園が生産する自然栽培米で仕込まれる純米酒で、弊社が行っているシングル醸造のきっかけとなった篤農家である。
本来金属加工用語である鍛造という言葉を用いた背景には、単体の素材を鍛えて新たな価値を生み出すことにあり、この原料素材に最大限の敬意を込め、内田米で仕込む酒にのみ鍛造という言葉を付した。
この酒が生まれる環境に身を投じてみたい、それがその時点での彼の希望であった。
彼の名は依田(よりた)圭司。線の細い体型から、蔵人として体力的な不安は感じたものの、気持ちの熱さが気に入って平成20年秋、依田は山根酒造の蔵人となった。
向学心の塊のような依田の仕事の習得の速さは驚異的で、また非常に丁寧でもあった。
この新人の仕事ぶりは周りをも触発し、伝播されたモチベーションもあり、この年の造りは完成度の高い酒が生んだ。
また依田に感心したのが、疑問に思ったことは臆することなく質問してくる貪欲さだった。
それは時に煩わしくさえ感じられるほどだったが、わからないことを後回しにせず、限られた時間で覚えようとする姿勢であったと思う。
非常に驚いたことがあった。
造りも半ばが過ぎた頃、依田が発した指摘があった。
「なぜこの工程でこれをやらないのか」
それは当時の杜氏が、そこまでの必要はない考え、省いていた工程だったのだが、寒冷地での仕込みには有効な方法であり、依田は初年度でそれを見抜いてしまった。
これにはさすがに参った。
蔵の仕事は朝5時から時に深夜に及び、地元の蔵人以外は住込みとなる。
数か月寝食を共にするので、夕飯時には晩酌しながらの酒談義が常となる。
蔵元はどんな酒を目指し、蔵人に何を求めるのか。
蔵人はそれをどう受け止め、自らの美意識と重ね合わせるのか。
さらに酒を酌み交わすことで、より深い会話が生まれ、一方通行ではないモノづくりの意識の共有が育まれる。
山根酒造の文化は、こういう人間臭さを大事にしてきた。
蔵元として私の考える酒の理想形。
舌に感じる味わいだけで酒を完結させず、受け止めた体の負荷を少なくし、馴染んでいくような心地よい酔い。
さらに食欲を掻き立てる究極の食中酒。
それに向かうためにはそれ相応の原料米が必要であり、できる限り自然のまま米作りをする生産者の協力が不可欠となる。
夜な夜な語り合うなかで、依田はこの美意識に共感してくれた数少ない蔵人であり、かつ米の持つ力がいかに重要なファクターなのかを理解してくれる存在にもなっていた。
やがて春が訪れ皆造となり、当期の酒造りは終了した。
それは彼のもうひとつの希望でもあった酒米作りへの始まりでもあった。
その修行先こそ、彼をその気にさせてしまった酒の酒米生産者、内田百種園の内田敬一郎氏(平成24年没)であった。
依田は内田氏の近くの空き家を借り、ここでバイケミ農法を学ぶ。
内田氏も彼の人柄と向学心に惚れ込み、自らが培ってきた微生物を活かした農法を伝授。
その後依田が取り組む自然農法の基礎を授かることとなる。
1年が過ぎ、依田は次の新天地として滋賀県の農業団体へ移住した。
働きながら就農するノウハウを学べるため、就農を目指す若者が各地から集う農業法人だ。
ここで春から秋まで働き、冬は近隣の蔵で酒造りをするという数年間をすごし、あるご縁から兵庫県の朝来市に移住を決める。
その地で後継者のいない農家の設備一式を譲り受け、ここを終の棲家と決めて彼が探し求める自然農法の実践が始まった。
化学肥料や、除草剤などの農薬を使わない米作りは容易ではない。
病害虫や雑草の洗礼を幾度となく受けながらも、心折れることなく依田の試行錯誤は続いていた。
取り組みから4年ほど経ったある日、依田から連絡が入った。
「少しだけですが、恥ずかしくない米が出来るようになりました。よければ一度見に来てもらえませんか?」
早速出向いて見せてもらった圃場には、亀の尾が育てられていた。
その長い背丈を支えるようにしっかりとした稲株の下には自然栽培特有のきめ細かな土の層が生まれ、その上をホウネンエビ等の数多くの水中昆虫が泳いでいる。
それは並大抵ではない依田の努力の年輪として伺え、何とも美しく眩いばかりの光景だった。
彼の労力を称える言葉を発した後、「もしよければ、来年うちの米を使って酒にしてもらえませんか?」。
その昔語り合った、我々が共有する理想の酒のことを忘れずにいてくれたこと。
それだけでも嬉しかったが、こういう形で一緒にモノづくりができることが何よりの喜びであった。
私はその申し出を有難く受け取って、契約農家として生産を委託することとなった。
本懐とは、もともと抱いていた願いや希望を指す。
盃は出逢い、繋がりの縁を顕す。
本懐の米作り、本懐の酒造り。
点と点が繋がり線となる。
15年の歳月を経て、ひとつの道筋が生み出された。
さながら塩の道、酒の道と云うべきか。

“醸は農なり”

お酒造りは奇跡の連続。
まずはお米を作るときから。
農家さんがいないとお米は作れないし、年ごとに天候も違えば台風等の自然災害の度合いも違う。
そんな幾多の困難を乗り越えお米ができる。
酒造りは、農作から始まっているという大事なことを教えてくれる酒蔵が日置桜を醸す山根酒造場です。

(以下HP参照)
グラス一杯のワインを飲んで、ぶどう畑をイメージすることはできても、盃にそそがれた一杯の日本酒から、米や田んぼの姿に思いをはせる人は少ないのではないでしょうか。
ワインも日本酒も醸造酒であり、素材の品質が味に大きく影響します。
優れた米だからといってよい酒ができるとは限りませんが、優れた米でなければよい酒はできません。
酒は米のポテンシャルを超えられない。
日置桜の酒造りは、常に農業の延長線上にあります。

※写真は撮影当時のもので、製造年月日が異なる場合がありますので予めご了承ください。
※酒造年度は商品説明文(ブレンド等、記載してない場合があります)に記載、正確な製造年月日が気になる方はお問い合わせください。
製造元:山根酒造場
内容量:720ml
産地:日本、鳥取県

2,090(税込)

      

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